働くということ

就職活動を控えて、自分がどのような職業に就きたいのかを明確にし、何のために働き、
どのような仕事がしたいのかを掘り下げて考えてみましょう。

何のために働くのか

     

働く理由には大きく分けて 3 つあります。まず最初に挙げられるのが「収入を得て生活するため」。次に「社会に貢献するため」。そして最後が「仕事を通じて成長するため」です。一般的には一つめの理由から働くことについて考えがちですが、むしろ、残りの2つの理由のほうが大切かもしれません。なぜなら、職業というのは、大学卒業後の長い人生を考えるときに、いかに自分らしく充実した時を過ごせるかということと密接に関係しているからです。
もちろん働くことを通じて、社会との結び付きを考えることも大切です。様々な職業から自分に合った職業を選択することは、社会の一員としてどのように社会と関わっていくかを選択することでもあります。働くということは、社会に参加し貢献することでもあるのです。
人は、職業や仕事を通じて、達成感を得られ、存在が認められ、新たな人間関係を築き、世界を広げていくのです。
そのことで自分自身も成長していきます。

働く理由、やりたい仕事を探しておく

仕事とは人生に大きな影響を与えるものであり、職場とは 1 日の大半を過ごす場所でもあります。自分に向かない仕事や働く喜びを得られない仕事を選んでしまったら、働くことが苦痛になってしまうこともあります。
では、就職活動を経験した先輩たちは、何を基準に就職先を決めているのでしょうか。表は、先輩たちが就職先企業を選ぶ際に重視した点を挙げています。先輩たちは実に様々な価値観を持って、企業選びを行っています。例えば、「仕事内容」を重視する人もいれば、「職場の雰囲気が良い」などの人間関係を重視する人も。一方「給与・待遇が良い」などの労働条件を重視する人もいるのです。
仕事選びの軸を明確にしていくためには、自分がどのような基準を重視して仕事を選んでいきたいのかを考えることが重要です。自分が重視したい職業価値観は何か。それは、志望理由をつくるうえでも連動してくることになります。

就職先企業を選ぶ際に重視した点

           
仕事内容 福利厚生が整っている
業績・財務状況が良い 勤務地
社会貢献度が高いスキルが身に付く
サービスや製品の質が高い 企業の知名度
自分の強みを生かす 安定している
職場の雰囲気(社風) ワークライフバランス
ビジョン・理念に共感できる 社員の対応
将来性がある 休日・休暇が多い
大企業である 給与・待遇が良い
教育・研修制度が充実している 希望の職種に就ける
中小企業である 裁量の大きさ

※上記の中から自分が企業選びで重視したい点を5つ選んで、順位付けしてください。そしてその理由を掘り下げて考えましょう。

社会人になるということ

「社会人とは何か」という問いには、実に多くの定義があるが明確な定義はありません。したがってここでは、社会人を「自分の収入で自立した生活を営んでいる者」だと定義します。しかし、卒業しても全員が社会人と認められるわけではありません。例えば「アルバイト」をしながら、親元で生活の援助を受け、ミュージシャンを目指す若者がいた場合、世間は社会人と呼ばず、「フリーター」と呼びます。一方、「派遣社員」「契約社員」といった場合では、世間は多くの場合、「社会人」と認めています。
つまり、社会人とは大学生のように “試験に合格すればなれるもの” ではなく、“世間から認められればなれる”ものだということ。その最たるものとして「扶養される対象からはずれて、自力で生計を立てる」などが挙げられます。世間は学生が卒業したら「社会人」になることを求めます。だからこそ社会人とは何かを意識することが必要です。

社会人に求められていること

企業人・職業人として事業活動に従事すること 事業活動に従事して得た対価のうちの一部を納税すること 親の扶養からはずれ、自活すること 健康保険料・厚生年金保険などを支払うこと マナーを守ること(時間を守る、身だしなみを整えるなど) 場に応じた人付き合いをすること 自分のことだけでなく、広く世の中のことを考えて行動すること

一般常識として、社会人に求められていると思われる事例を列挙しています。仕事をし、価値を創造し、消費活動を行い、税金を払い、選挙があれば投票に行く。このような一人ひとりの積極的な社会参加が社会をよくしていく。それを期待されているからこそ、若いうちに教育を受けられたり、大学で勉強ができるのです。みなさんは大学を卒業するまでは、社会全体に支えてもらっているということを忘れないようにしましょう。

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